第36回 公開討論会 開催終了のご報告
令和5年3月26日(日)、日比谷コンベンションホール(大ホール)に於いて、第36回公開討論会が開催。当日は生憎の雨で花冷えの一日となったが、全国から多くの茶の湯愛好家が参会した。今回は、「小堀遠州の美意識 ~遠州と寛永の三筆~」と題し、ゲストに増田孝氏(愛知東邦大学客員教授)を迎え、熊倉功夫氏(MIHO MUSEUM館長)、小堀宗実氏(遠州茶道宗家13世家元)がテーマについて熱く討論した。
前半は増田氏の「寛永の三筆」についての考え方からはじまり、本阿弥光悦、近衛信伊、松華堂昭乗の消息を元に、 寛永の三筆 と遠州公との深い関係について読み解いた。後半は、遠州公の消息や道具に記した筆跡について話し、遠州公の美意識と人望の厚さについて窺い知ることが出来た。増田氏は「当時の人は、今の電話やラインの代わりに手紙を書いていたので、まだまだ世に出てこない貴重な資料が沢山ある」とのこと。今後の先生方の更なる研究が楽しみである。最後に増田氏が遠州公消息の実物を舞台に展観した。講演後ということもあり、参加者は一際興味深かく拝見していた。